2012/4/2

環境・通信・その他

携帯ローミング料の新規制で合意、正式承認経て7月導入へ

この記事の要約

EU議長国デンマークと欧州議会の代表は3月28日、携帯電話を域内の他の国で利用する際にかかるローミング料金を引き下げる新たな規制案の内容で合意した。動画や音楽をダウンロードする際にかかるデータローミングについて、事業者間 […]

EU議長国デンマークと欧州議会の代表は3月28日、携帯電話を域内の他の国で利用する際にかかるローミング料金を引き下げる新たな規制案の内容で合意した。動画や音楽をダウンロードする際にかかるデータローミングについて、事業者間のホールセール料金に加えてリテール料金にも上限を設けることなどが柱。欧州議会とEU閣僚理事会の正式な承認を経て、7月1日から新ルールが導入される見通しだ。

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EUでは2007年6月に「携帯電話のローミングに関する規則」が制定され、域内の他の国で音声通話やショートメッセージサービス(SMS)を利用する際のローミング料金が段階的に引き下げられている。しかし、事業者の多くが規制の上限に近い料金を設定しており、依然としてローミングサービスから莫大な利益を得ているのが実情。欧州委は15年までに域内の他の国で携帯電話を使用する際の料金を国内料金とほぼ同等にするという目標を掲げ、現行規制が失効する今年7月以降の新ルールを提示。閣僚理と欧州議会で規制案について検討を進めていた。

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新規制によると、携帯電話サービス会社は14年7月以降、ユーザーが域内の他の国で携帯電話を利用する際、最も低いローミング料金を設定している事業者を自由に選び、電話番号を変更せずにサービスを受けられる契約プランを提供することが義務づけられる。また、今年7月以降は自らの通信網を持たない事業者や国外の事業者にネットワークを開放しなければならない。

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一方、国際ローミングの料金規制では、モバイルインターネットを介したデータ利用のリテール料金に上限が設けられる。1メガバイト当たりのローミング料金は現在、国によって2-5ユーロとばらつきがあるが、今年7月以降は最大0.7ユーロに制限され、13年7月は0.45ユーロ、14年7月には0.2ユーロに上限が引き下げられる。また、音声通話は発信時で現在の1分当たり0.35ユーロから7月以降は0.29ユーロ、13年7月からは0.24ユーロ、14年7月には0.19ユーロに上限が引き下げられる。さらにSMSは1通あたり0.11ユーロの上限が7月以降は0.09ユーロ、13年7月には0.08ユーロ、14年7月以降は0.06ユーロに引き下げられる。

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