2012/4/23

環境・通信・その他

「燃料クオリティ指令」実施に追い風、事業者負担は「限定的」=報告書

この記事の要約

欧州委員会が温暖化対策の一環として、域内の燃料供給事業者に対し、燃料製品の炭素含有量などについて詳細報告を義務づける方針を打ち出している問題に関連して、新ルール導入に伴う事業者側の負担は限定的との調査結果がこのほど公表さ […]

欧州委員会が温暖化対策の一環として、域内の燃料供給事業者に対し、燃料製品の炭素含有量などについて詳細報告を義務づける方針を打ち出している問題に関連して、新ルール導入に伴う事業者側の負担は限定的との調査結果がこのほど公表された。業界団体などはコストや事務処理などの面で過度の負担が生じると主張し、報告の義務化に反発しているが、リポートをまとめたオランダの調査機関CE デルフトは、新ルール導入に伴う新たなコスト負担は車両燃料で1バレル当たり1セント程度と試算している。

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EUは2009年、域内の燃料供給事業者に対し、20年までに燃料製品の温室効果ガス排出量をライフサイクル全体で6%削減することを義務づけた「燃料クオリティ指令」を採択した。欧州委は昨年10月、同指令の実施に向けた具体策をまとめ、その中に製品別の炭素含有量や、原料となった化石燃料の二酸化炭素(CO2)排出係数(デフォルト値)などの報告義務が盛り込まれている。

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ブリュッセルに本拠を置く環境団体トランスポート&エンバイロメント(T&E)の委託で調査を行ったCE デルフトは、域内の石油会社や製油所などは戦略上の必要性から、欧州市場で取引される燃料資源の成分や生産方法についてすでに詳細なデータを収集しており、新ルールの導入で新たに報告義務の対象となるのは全体の20-25%以下にとどまると指摘。事業者が過度の負担を強いられるといった業界側の主張とは異なる見解を示している。

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