2012/4/23

環境・通信・その他

航空旅客の個人情報提供に関する対米新協定、欧州議会が可決

この記事の要約

欧州議会は19日の本会議で、EU域内から米国に向かう航空旅客の情報提供に関する米国との新たな協定を賛成多数(賛成409、反対226、棄権33)で可決した。今月26日の司法・内相理事会で正式承認される見通しで、2007年に […]

欧州議会は19日の本会議で、EU域内から米国に向かう航空旅客の情報提供に関する米国との新たな協定を賛成多数(賛成409、反対226、棄権33)で可決した。今月26日の司法・内相理事会で正式承認される見通しで、2007年に結ばれた暫定合意に代わるEU・米間の新協定が発効する。

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米国は2001年9月の同時多発テロ以降、国内を離発着する航空会社に搭乗者の個人情報を含む予約情報(Passenger Name Record=PNR)の提供を義務づけており、EUも04年5月、域内から米国に向かう旅客の氏名、住所、座席番号、クレジットカード情報、飛行ルートなどの情報を米当局に報告することを航空会社に義務付ける協定を結んだ。しかし、欧州議会は同協定がEUのデータ保護指令に違反するとして欧州司法裁判所に提訴。司法裁は06年5月、欧州議会の主張を認め、協定を無効とする判決を言い渡した。

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これを受けてEUと米国は情報提供の範囲や目的などについて見直しを進め、07年7月、米側に提供する個人情報の項目を大幅に減らすことや、提供から7年が経過したデータは「休眠データ」として扱い、特別な手続きを踏まなければアクセスできなくすることなどで合意。7年間有効な暫定協定を締結した。しかし、欧州議会はプライバシー保護に対する懸念から、10年5月に協定の見直しに向けた再交渉を求める決議を採択。欧州委員会と米政府の間で協議が重ねられ、双方は昨年11月にデータ保持期間の一部短縮などを盛り込んだ新協定に仮調印した。

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