2012/5/21

環境・通信・その他

ハンガリーが通信サービス税導入、議会が法案可決

この記事の要約

ハンガリー議会は18日、財政再建策の一環として政府が提出した新たな通信サービス税を導入するための法案を賛成多数で可決した。7月1日から新税が導入される。直接の課税対象は通信会社になるが、各社とも料金値上げに踏み切る公算が […]

ハンガリー議会は18日、財政再建策の一環として政府が提出した新たな通信サービス税を導入するための法案を賛成多数で可決した。7月1日から新税が導入される。直接の課税対象は通信会社になるが、各社とも料金値上げに踏み切る公算が大きいことから、消費者に新たな負担を強いる政策に対して国民の批判が高まりそうだ。

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ハンガリーでは欧州債務危機の影響で通貨フォリントが下落するなどして財政悪化が深刻化。オルバン政権は金融、エネルギー、小売り、通信関連企業に「危機対策税」を課して歳入の拡大を図ってきた。しかし、これらの措置は一時的な赤字の穴埋めにすぎず、持続可能な財政再建策とはいえないといったEUの批判を受けて、今月初めに金融取引税や新たな通信税などの導入を閣議決定し、議会に法案を提出していた。

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通信サービス税は電話の通話は1分ごと、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)は送信1回ごとにそれぞれ2フォリント(約0.7円)を課税するという内容。ただし、個人顧客については月額700フォリント、法人顧客は2,500フォリントが課税上限となる。政府は新税の導入を通じて年間440億フォリントの税収を見込んでいる。

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政府は当初、固定電話と携帯電話の利用者に直接課税する方向で検討を進めていたが、最終的に課税対象は通信会社に変更された。これに対し、通信業界は政府の一方的な方針転換に強く反発。国内最大手マジャール・テレコム、ノルウェーのテレノールと英ボーダフォンの現地子会社は今月14日、法案の撤回を要求する共同声明を発表した。一方、ハンガリー国営通信MTIによると、テレノールの広報担当は議会での採決に先立ち、新税が導入された場合は料金値上げを検討せざるを得ないと言明している。

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