2012/6/18

環境・通信・その他

エネルギー効率指令案、欧州議会と加盟国が基本合意

この記事の要約

欧州議会とEU加盟国の代表は14日、ブリュッセルで調停委員会を開き、EU全体で2020年までにエネルギー効率を20%改善する目標を達成するための具体策を盛り込んだ「エネルギー効率指令(案)」の内容で基本合意した。国別に拘 […]

欧州議会とEU加盟国の代表は14日、ブリュッセルで調停委員会を開き、EU全体で2020年までにエネルギー効率を20%改善する目標を達成するための具体策を盛り込んだ「エネルギー効率指令(案)」の内容で基本合意した。国別に拘束力のある省エネ目標を設定して期限内の達成を義務づけるほか、域内のエネルギー企業に対し、エンドユーザーにエネルギー効率の改善を促すことでエネルギー販売量の削減を義務づけることなど柱とする内容。欧州議会と閣僚理事会の承認を得て新ルールを導入する。

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指令案によると、加盟国はそれぞれ20年を達成期限とする省エネ目標を設定し、3年ごとに目標達成に向けた行動計画を策定して欧州委員会に提出することが義務づけられる。欧州委は14年6月までに各国における進捗状況を見極め、30年を達成期限とする新たな省エネ目標を定める。

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域内のエネルギー供給業者および小売業者は14年から20年までの間、一般家庭を含めたエンドユーザーにエネルギー効率の改善を促すことで、自らが販売するエネルギー量を過去3年間の平均と比べて毎年1.5%削減することが義務づけられる。ただし、輸送部門へのエネルギー供給は対象から除外されるほか、加盟国は他の措置を通じて同等のエネルギー効率を改善することを条件に、特定のセクターを規制の対象から除外することができる。欧州委は16年に例外規定の見直しを行う。

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一方、EU各国の公的機関は製品やサービスの調達に際し、エネルギー効率を選定要件に盛り込まなければならない。また、加盟国は14年以降、中央省庁が保有・管理する公共施設の省エネリフォームを毎年実施することが義務づけられ、使用可能な床面積が500平方メートル以上(15年6月以降は250平方メートル以上)の公共建築物を対象に、総床面積の少なくとも3%を毎年改装して断熱材や二重窓などの導入を進めることが求められる。

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このほか域内の大企業は新指令の導入から3年以内に、エネルギー使用量や建物のエネルギー効率などについて4年ごとに監査を受けることが義務づけられる。

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