2012/6/25

総合 –EUウオッチャー

ハンガリーへの制裁回避を決定、赤字削減策に一定の評価

この記事の要約

EU加盟国は22日の財務相理事会で、EUの財政規律に違反したハンガリーに対する制裁を発動しないことを決めた。財政赤字削減に向けて同国政府が講じた改善策が評価されたかたち。これにより、EUが財政規律違反で初めて加盟国に制裁 […]

EU加盟国は22日の財務相理事会で、EUの財政規律に違反したハンガリーに対する制裁を発動しないことを決めた。財政赤字削減に向けて同国政府が講じた改善策が評価されたかたち。これにより、EUが財政規律違反で初めて加盟国に制裁を発動する事態はひとまず回避された。

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欧州委員会は2月、ハンガリーが財政赤字を国内総生産(GDP)比3%以内に抑えることを義務づけたEUの安定成長協定に違反しているとして、同国に対する制裁を加盟国に勧告。これを受けて財務相理は3月、2013年1月から同国向け補助金の一部を凍結する方針を決定した。地域のインフラ整備などに充てるEU結束基金を29%(約4億9,500万ユーロ)減額するという内容で、GDPの0.5%に相当する。ただ、ポーランドなど東欧諸国の一部と、国内の金融機関が多額のハンガリー国債を保有するドイツやオーストリアが即時の制裁発動に難色を示したため、同国に3カ月の猶予期間を与え、6月までに財政赤字削減に向けて有効な対策を講じた場合は、制裁を見送ることで合意していた。

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欧州委は5月末、ハンガリー政府がEUの勧告に沿って適切な政策対応をとったとする意見書を公表。同国の財政赤字は12年がGDP比で2.5%、13年も2.7%と、いずれも安定成長協定が求める3%以内に収まるとの見通しを示し、加盟国に対して制裁の発動を見送るよう勧告していた。

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