2012/6/25

欧州ビジネスウオッチ

ライアンエアー、エア・リンガス買収を再提案へ

この記事の要約

欧州最大の格安航空会社であるアイルランドのライアンエアーは19日、同国の旧国営航空会社エア・リンガスの買収を提案すると発表した。アイルランド政府が保有するエア・リンガス株式の25%を取得し、過半数株を握る計画だ。ライアン […]

欧州最大の格安航空会社であるアイルランドのライアンエアーは19日、同国の旧国営航空会社エア・リンガスの買収を提案すると発表した。アイルランド政府が保有するエア・リンガス株式の25%を取得し、過半数株を握る計画だ。ライアンエアーは過去に2度、エア・リンガス買収に失敗しているが、状況が変わったとして、再び買収を仕掛ける。

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ライアンエアーは現在、エア・リンガスの株式29.82%を保有している。アイルランド証券取引所に充てた声明によると、政府保有の25%を1株当たり1.3ユーロで取得し、持ち株比率を54.82%まで引き上げる計画。同価格はエア・リンガスの同日終値に38%を上乗せした水準となる。

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ライアンエアーはエア・リンガスが民営化された直後の2006年10月、同社の株式29.4%を取得し、買収を正式に提案したが、政府とエア・リンガス経営陣や政府が反発。さらにEUダブリン空港発着便の大部分を運航する両社の統合は認められないと判断したことから断念。その後に再度、買収を提案したが、実現しなかった経緯がある。

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ライアンエアーは新たな買収提案について、アイルランドが財政危機で国有資産の売却を求められていることや、欧州航空業界の再編が進んだことから、「環境が劇的に変わった」としている。

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アイルランド政府とエア・リンガスは、今回の動きについて、これまでのところコメントを控えている。

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ライアンエアーは政府が持ち株売却に応じたとしても、EUの競争上の問題に直面することになる。このため、買収後もエア・リンガスを別会社として存続させることで、買収認可を取り付ける方針だ。

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