EUは6月26日、コロンビア、ペルーとの包括的貿易協定に署名したほか、ベトナムとの自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を正式に開始したことを明らかにした。
\コロンビア・ペルーとの協定が発効すれば、すべての工業製品と水産品の関税が撤廃され、農業製品の関税が引き下げられる。EUはこれにより、年間2億7,000万ユーロを節約できる見通しだ。とくに自動車・自動車部品(3,300万ユーロ)、化学品(1,600万ユーロ)、繊維製品(6,000万ユーロ)の各分野で高い効果が期待される。
\EUと両国は、公共部門の調達やサービス部門における規制緩和など、非関税障壁への対応でも合意。市場参入や競争政策、知的財産権などに関する枠組みを改正する。これにより両国では、EUの地理的表示製品100件以上が保護されることになる。EUが競争力や技術革新の強化、生産の近代化、技術移転などで協力を強化する一方、両国は、人権保護や労働者の権利、環境保護に関する国際協定の順守について一層の努力を払うことになる。
\EUと両国との貿易総額は2011年には211億ユーロとなっており、EUからコロンビアとペルーへの輸出はそれぞれ、50億ユーロ、28億ユーロだった。
\一方、EUとベトナムのFTA交渉は、ASEAN(東アジア諸国連合)加盟国では3カ国目となる。ASEANはEUにとって3番目に大きな貿易相手地域で、ベトナムとの貿易額は年間180億ユーロ。EUは2007年からASEAN加盟10カ国のそれぞれと個別にFTAに関する交渉を進めており、すでにシンガポール、マレーシアと協議入りしている。
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