2012/7/2

環境・通信・その他

欧州委が新たな脱税防止策を発表、域内企業に共通の識別番号

この記事の要約

欧州委員会は6月27日、新たな脱税防止策として、域内で国境を越えて活動する企業を対象に、EU共通番号制度を導入する方針を打ち出した。経済のグローバル化が進むなか、企業にEU共通の識別番号を割り当てて納税の実態把握を容易に […]

欧州委員会は6月27日、新たな脱税防止策として、域内で国境を越えて活動する企業を対象に、EU共通番号制度を導入する方針を打ち出した。経済のグローバル化が進むなか、企業にEU共通の識別番号を割り当てて納税の実態把握を容易にし、加盟国の平均GDPの約20%に相当する2兆ユーロ規模の地下経済を撲滅するのが狙い。欧州委は租税回避や詐欺的行為を行った企業に対する罰則ルールを域内で統一することなども提案している。

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欧州委のシェメタ委員(税制・関税同盟、監査・不正防止担当)は「EU市民の資産を盗み、加盟国の貴重な歳入を搾取する脱税行為を一掃し、公正で効果的な租税制度を確立する必要がある。そのためには各国が独自に対策を進めるだけでは不十分で、EUレベル、さらに国際間で連携を強化することが不可欠だ」と指摘。巨額脱税など悪質な犯罪を防止するため、EU共通の識別番号を導入して各国当局が国境を越えて活動する企業の納税状況を容易に追跡できるシステムを構築し、同時に脱税行為に対する罰則規定を域内で調和させる必要があると強調している。

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欧州委はこのほか、付加価値税(VAT)の脱税防止を目的とする加盟国間の緊急対応メカニズムの導入や、脱税の温床として国際的な非難の的になっている租税回避地(タックスヘイブン)に対し、違法行為が疑われる場合に顧客情報の提供を受けるための協定締結などを目標に掲げ、年末までに一連の対策を実施するための行動計画をまとめる方針を示している。

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