2012/7/9

総合 –EUウオッチャー

キプロスが露にも支援要請、50億ユーロ調達へ

この記事の要約

ロシアのシルアノフ財務相は6日、キプロスから50億ユーロの金融支援を要請されたことを明らかにした。銀行救済の資金が不足しているキプロスはEUに支援を要請しているが、有利な条件での融資を取り付けるため、ロシアにも支援を要請 […]

ロシアのシルアノフ財務相は6日、キプロスから50億ユーロの金融支援を要請されたことを明らかにした。銀行救済の資金が不足しているキプロスはEUに支援を要請しているが、有利な条件での融資を取り付けるため、ロシアにも支援を要請したとみられる。

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キプロスは欧州債務危機の発端となったギリシャとの経済的関係が深く、多額のギリシャ向け債権を保有している国内銀行の経営が急速に悪化した。政府も財政危機にあり、6月25日にEUに要請した。支援要請額は不明だが、国内では100億ユーロ程度が必要と報じられている。ロシアに要請した支援は、その半分に相当する。

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ロシアのインターファクス通信によると、シルアノフ財務相は記者団に対して、EUの対応を見ながら、支援を検討する方針を示した。

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キプロスとロシアは、多くのロシア企業が税率の低いキプロスに租税回避地として進出するなど経済的な結びつきが強い。キプロス政府は、支援に財政緊縮など厳しい条件を付けるEUから全額を調達せず、ロシアからも支援を受けることで、負担を軽減したい考えとみられる。また、キプロスとロシアの接近を警戒するEUに揺さぶりをかけ、支援交渉を有利に進めたいという思惑もあるもようだ。

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