2012/7/23

環境・通信・その他

深海漁業の規制強化、欧州委が提案

この記事の要約

欧州委員会は19日、大西洋北東海域での深海漁業の規制強化を提案した。水深4,000メートル以上に生息する深海魚種の混獲を避け、生態系の持続可能性を維持する同時に、保護に必要となるデータの収集を促すのが規制の主な目的だ。\ […]

欧州委員会は19日、大西洋北東海域での深海漁業の規制強化を提案した。水深4,000メートル以上に生息する深海魚種の混獲を避け、生態系の持続可能性を維持する同時に、保護に必要となるデータの収集を促すのが規制の主な目的だ。

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深海魚は繁殖力が弱く、成長も遅いことから、乱獲などの影響を受けやすい。このため欧州委は、深海漁業の操業許可に関する認定基準を厳格化するほか、底引き網と刺し網の段階的な使用禁止を提案している。底引き網漁と刺し網漁は、一部の深海魚種のみに用いられるが、他の漁獲方法に比べて混獲量が多く、別の魚種の生息数の減少(漁獲重量ベースで20~40%減、またはそれ以上)を招いたと指摘されている。

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大西洋北東部の水揚げ量のうち、深海魚が占める割合は全体の約1%。以前は規制がほとんどなかったため、魚種資源が大幅に減少したとされる。EUは2003年以降、特定の魚種について漁獲可能量(TAC)と操業を認める船舶の数、漁業日数を制限するとともに、不正な漁獲を監視するための措置を強化している。

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