2012/7/23

欧州ビジネスウオッチ

ライアンエアー、エア・リンガス買収を正式提案

この記事の要約

欧州最大の格安航空会社であるアイルランドのライアンエアーは17日、同国の旧国営航空会社エア・リンガスに買収を正式提案した。エア・リンガスの株式29.82%を保有する同社は、残り株を株式公開買い付け(TOB)を通じ、総額6 […]

欧州最大の格安航空会社であるアイルランドのライアンエアーは17日、同国の旧国営航空会社エア・リンガスに買収を正式提案した。エア・リンガスの株式29.82%を保有する同社は、残り株を株式公開買い付け(TOB)を通じ、総額6億9,400万ユーロで取得する計画だ。

\

ライアンエアーはエア・リンガスが民営化された直後の2006年10月、同社の株式29.4%を取得し、買収を正式に提案した。しかし、政府とエア・リンガス経営陣や政府が反発したほか、EUがダブリン空港発着便の大部分を運航する両社の統合は認めない決定を下したことから、断念した経緯がある。

\

ライアンエアーは6月、アイルランドが財政危機で国有資産の売却を求められていることや、欧州航空業界で再編が進んでいることから、以前と状況が変わったとして、買収を再提案する意向を表明していた。

\

1株当たりの買い取り価格は1.3ユーロ。買収再提案の発表直前の終値に38%を上乗せした水準だ。

\

エア・リンガスは買収提案について、これまでのところコメントを避けている。同社取締役会は、アイルランドの法令に基づき、月内に買収に応じるかどうか返答することになっている。

\