2012/7/30

競争法

グーグルが欧州委の制裁回避へ、モバイル検索で新たな改善策か

この記事の要約

インターネット検索市場における米グーグルの商慣行をめぐり、欧州委員会が競争法違反の疑いで調査を進めている問題で、同委の報道官は24日、グーグルとの間で和解に向けて大筋合意に達したことを明らかにした。グーグルは7月初めに新 […]

インターネット検索市場における米グーグルの商慣行をめぐり、欧州委員会が競争法違反の疑いで調査を進めている問題で、同委の報道官は24日、グーグルとの間で和解に向けて大筋合意に達したことを明らかにした。グーグルは7月初めに新たな改善策を提示し、欧州委が内容を照査していた。同委がグーグルの提案を受け入れる方針を示したことで、グーグルは巨額の制裁金を回避できる公算が大きくなった。

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欧州委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は24日付の米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』に掲載されたインタビュー記事で、「グーグルとの間で大筋合意に達した」と述べ、近く会合を開いて詳細を詰める方針を示していた。同委のコロンバーニ報道官は報道を受け、「グーグルからの提案について大筋で合意に達したことを確認する」と発言。近日中に「技術レベルの協議」を行うことを明らかにし、「一連の手続きによって欧州委の懸念が払拭されることを期待する」とつけ加えた。一方、グーグルの広報担当は「引き続き欧州委に協力する」と述べるにとどめ、報道内容については言及を避けた。

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グーグルが提示した改善策の内容は不明だが、欧州委はこれまでの調査から◇検索結果の表示で「グーグルマップ」など自社サービスを優遇している◇競合サイトに投稿されたレストランや旅行などに関する口コミ情報を無断で掲載している◇広告事業に関するパートナーサイトとの契約によってライバルが市場から締め出されている◇契約上の制限によって広告主がキャンペーンの出稿先をライバルの検索エンジンに変更するのを阻止している――との見方を強め、同社に対して是正を求めていた。グーグルは欧州委が指摘する「4つの懸念」に対応するための改善策を提示したが、英紙『フィナンシャル・タイムズ』によると、同委はさらにモバイル事業の抜本的な見直しを要求。グーグル側がモバイル検索にも4項目の改善策を適用する方針を表明したことで事態が大きく進展したもようだ。

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グーグルは米国、韓国、インドでも検索サービスをめぐって同様の調査を受けており、欧州委の判断に各国当局の注目が集まっている。

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