2012/8/6

産業・貿易

ノバルティス「アフィニトール」、進行性乳がん治療薬として承認

この記事の要約

スイスの製薬大手ノバルティスは7月30日、抗悪性腫瘍剤「アフィニトール」(一般名:エベロリムス)が進行性乳がん治療薬として欧州委員会から承認されたと発表した。米ファイザーの「アロマシン」(一般名:エキセメスタン)との併用 […]

スイスの製薬大手ノバルティスは7月30日、抗悪性腫瘍剤「アフィニトール」(一般名:エベロリムス)が進行性乳がん治療薬として欧州委員会から承認されたと発表した。米ファイザーの「アロマシン」(一般名:エキセメスタン)との併用を条件に、ホルモン療法が効かなくなった閉経後の乳がん患者への使用が可能になる。

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アフィニトールはがん細胞の成長と増殖を促進する「mTOR」と呼ばれるたんぱく質の働きを阻害する働きを持ち、すでに膵臓がん、腎臓がん、脳腫瘍の治療薬として世界各地で承認されている。米食品医薬品局(FDA)は7月20日付でアフィニトールを閉経後の進行性乳がん治療薬として追加承認していた。

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ノバルティスによると、700人以上にアフィニトールとアロマシンを併用した臨床試験を行ったところ、無増悪生存期間(progression-free survival:病勢の進行が見られない状態での生存期間)の中央値は11カ月と、アロマシンを単独で投与した場合(4カ月)に比べて3倍近くに上った。

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欧州委の決定は欧州医薬品委員会が6月21日に採択した承認勧告を受けたもので、EU27カ国とアイスランドおよびノルウェーに適用される。

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