2012/8/27

産業・貿易

スロベニア名産ソーセージの名称保護、クロアチアが異議

この記事の要約

スロベニアが名産のソーセージ「クランスカ・クロバサ」にEUの原産地名称保護制度に基づく認証を申請したことをめぐり、クロアチア農業省は18日、異議を申し立てる文書を欧州委員会に送付した。\ 原産地名称保護制度は伝統や地域に […]

スロベニアが名産のソーセージ「クランスカ・クロバサ」にEUの原産地名称保護制度に基づく認証を申請したことをめぐり、クロアチア農業省は18日、異議を申し立てる文書を欧州委員会に送付した。

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原産地名称保護制度は伝統や地域に根ざした特有の食品などの品質認証のために1992年に制定された。クランスカ・クロバサはスロベニア全土で一般的に供される小ぶりのソーセージで、同国のクランスカ地方が名前の由来となっている。同種のソーセージはオーストリアにもあるが、スロベニアはクランスカ・クロバサが19世紀に同国で発明されたものだと主張、原産地名称保護制度による認証を申請している。

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クロアチア農業省は異議申し立ての理由について、クランスカ・クロバサを生産するクロアチアの業者を守るためと説明している。スロベニアとクロアチアはともに旧ユーゴスラビアの構成国であり、旧ユーゴ時代から共通の名産品が広く流通している。クロアチアは年間1,000万ユーロ相当のクランスカ・クロバサを輸出しているが、スロベニアの申請が認められた場合、クロアチアの業者はクランスカ・クロバサの名称が使用できなくなり、大きな打撃を受けることが予想される。

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欧州委がクロアチアの異議申し立てに正当性があると判断した場合、同国とスロベニアは協議を行い、6カ月以内に解決策で合意することが求められる。これが不調に終わった場合は、欧州委が専門家委員会を設置して問題を審査する。

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