2012/9/3

総合 –EUウオッチャー

カタルーニャ州も中央政府に支援要請、スペインの危機深刻化

この記事の要約

財政危機に陥っているスペインのカタルーニャ州政府は8月28日、中央政府に50億ユーロの金融支援を要請することを決めたと発表した。スペイン自治州政府による支援要請は、バレンシア州、ムルシア州に続いて3州目。国内最大の自治州 […]

財政危機に陥っているスペインのカタルーニャ州政府は8月28日、中央政府に50億ユーロの金融支援を要請することを決めたと発表した。スペイン自治州政府による支援要請は、バレンシア州、ムルシア州に続いて3州目。国内最大の自治州で、ポルトガルに匹敵する経済規模を持つ同州の支援要請により、スペイン全体の財政に対する不安が一段と強まってきた。

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スペインは高度の地方分権体制にあり、17の自治州が独自の財政運営を行っているが、景気後退で各州の財政が悪化している。17州の債務総額は1,450億ユーロに上り、年内に360億ユーロの債務の償還を迎える。このため中央政府は7月、宝くじの収益などを財源とする総額180億ユーロの地方自治体向け支援基金を創設。これまでにバレンシア州が35億ユーロ、ムルシア州が3億ユーロの金融支援を要請した。

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420億ユーロの債務を抱えるカタルーニャ州政府は、公務員の給与削減、病院、福祉施設への助成削減により歳出を圧縮しているが、資金繰りに行き詰まり、中央政府への支援要請を迫られた。

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スペインの中央政府も深刻な債務危機に直面しているほか、国内銀行は不動産バブル崩壊で巨額の不良債権を抱える。政府はEUに銀行救済への支援を要請済みで、EUは財政危機に直面するユーロ参加国に対する緊急金融支援の枠組みである「欧州金融安定基金(EFSF)」を通じて最大1,000億ユーロを融資することを決めている。地方政府の財政が悪化し、新たな支援要請が続出する場合は中央政府が対応しきれず、ギリシャなどに続いてEUに財政支援を要請する事態に追い込まれかねない状況だ。

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