2012/9/17

総合 –EUウオッチャー

ポルトガルの赤字削減義務、EUとIMFが緩和

この記事の要約

EUと国際通貨基金(IMF)は11日、ポルトガルが金融支援の条件として約束している財政赤字削減について、今年と来年の達成義務を緩和すると発表した。景気後退が深刻化していることを考慮したもの。ポルトガルは財政赤字を今年は国 […]

EUと国際通貨基金(IMF)は11日、ポルトガルが金融支援の条件として約束している財政赤字削減について、今年と来年の達成義務を緩和すると発表した。景気後退が深刻化していることを考慮したもの。ポルトガルは財政赤字を今年は国内総生産(GDP)比4.5%、2013年は3%以内に抑えることを求められていたが、今年は5%、13年は4.5%が目標となる。

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EUとIMFは昨年5月、債務危機に直面するポルトガルに対する総額780億ユーロの金融支援を決定した。緊縮策を通じて財政健全化を図ることなどが支援の条件で、「トロイカ」と呼ばれるEU、IMF、欧州中央銀行(ECB)の3者による調査団が四半期ごとに財政再建の進捗状況を審査している。

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ポルトガルでは景気悪化が続いており、今年4-6月期のGDP伸び率は前期比マイナス1.2%と、下げ幅は前期の0.1%から急拡大した。最大の輸出先であるスペインが、信用不安で景気が後退していることが大きく響いた。政府は景気低迷による税収減を補うため、政府は先ごろ社会保険料の引き上げを柱とする追加の財政再建策を発表したばかり。それでも景気悪化が予想以上に深刻なことから、EUとIMFは条件の緩和を認めた。

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