2012/9/17

産業・貿易

魚の乱獲に制裁措置、欧州議会で可決

この記事の要約

欧州議会は12日、「持続不可能な漁業」を行う国に対する一連の制裁措置を賛成659、反対11の賛成多数で可決した。独自に設定した漁獲枠によって北海でサバの乱獲を続けるアイスランドとデンマーク領フェロー諸島が対象となる。\ […]

欧州議会は12日、「持続不可能な漁業」を行う国に対する一連の制裁措置を賛成659、反対11の賛成多数で可決した。独自に設定した漁獲枠によって北海でサバの乱獲を続けるアイスランドとデンマーク領フェロー諸島が対象となる。

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持続不可能な漁業を行う国とは、国際協定に従った共通の利益である資源の管理に協力せず、最大維持可能漁獲量(WSY)またはMSYを超えるレベルの漁獲を行う国を指す。制裁措置には、乱獲されているとEUが判断した魚類の輸入禁止や、持続不可能な漁業を行なっている国の船舶の寄港を制限することなどが含まれる。

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欧州の大西洋北東海域のサバ漁をめぐっては、EUとノルウェーが資源管理の観点から漁獲枠を定めてきたが、アイスランドは2010年、豊漁などを理由に漁獲枠を一方的に従来の6.5倍にあたる13万トンに拡大。フェロー諸島も3.4倍の8万5,000トンとした。この結果、全体の漁獲枠は持続可能なレベルを大きく超え、周辺国で資源枯渇への懸念が一気に高まった。EUは昨年1月、対抗措置として漁獲枠の問題が解決されるまで、アイスランドの漁船からEUの港へのサバの水揚げを拒否すると発表。7月にはアイルランドがアイスランドとフェロー諸島に制裁措置を科すよう欧州委員会に求め、フランス、ポルトガル、スペインもこれに同調していた。アイルランドのギャラハー欧州議員は、「制裁措置はどの国も対象となりうるが、大西洋北東海域の状況は差し迫った問題だ」と語った。

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