2012/9/24

競争法

ユニバーサルのEMI買収、欧州委が条件付きで承認

この記事の要約

欧州委員会は21日、仏メディア大手ビベンディ傘下のユニバーサル・ミュージック・グループが英音楽大手EMIグループのレコード部門を買収する計画を条件付きで承認したと発表した。ユニバーサルはEMIが保有するレーベル「パーロフ […]

欧州委員会は21日、仏メディア大手ビベンディ傘下のユニバーサル・ミュージック・グループが英音楽大手EMIグループのレコード部門を買収する計画を条件付きで承認したと発表した。ユニバーサルはEMIが保有するレーベル「パーロフォン」などの売却を求められる。

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パーロフォンは、クイーン、デュラン・デュラン、ピンクフロイドといった人気アーティストが所属するEMIの主要レーベル。このほかユニバーサルは、EMI傘下のクラシック音楽のレーべル「ミュート」などの売却も求められる。

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ユニバーサルは昨年11月、米金融大手シティグループ傘下のEMIグループをソニーと分割買収することで合意。ユニバーサルが19億ドルでレコード部門、ソニーが22億ドルで楽曲の著作権を管理する音楽出版部門を買収する。

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世界の音楽市場ではユニバーサル、ソニー、EMI、ワーナー・ミュージックの4大手が圧倒的なシェアを占めており、EMIの買収が実現すると3社体制となり寡占化が進む。欧州委は、ユニバーサルがビートルズなどの楽曲を保有するEMIを買収すると、欧州音楽市場で2位と比べて2倍近い規模に膨れ上がり、「競争が損なわれて消費者に悪影響を及ぼす可能性がある」として、3月に本格的な調査を開始していた。

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これに対してユニバーサルは競争上の是正策として、パーロフォンなどの売却を提案。欧州委は6カ月以内に売却を完了することを条件に、買収を最終承認した。

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ユニバーサルはレーベル売却によりEMIの収入源の3分の1を失うが、それでも同社を買収することで、欧州音楽市場で1位の座を確保する。

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21日には米当局も同買収計画を無条件で承認しており、買収成立の障害はなくなった。

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