2012/10/1

産業・貿易

仏政府、女性役員登用義務化への支持表明

この記事の要約

企業に女性役員の登用を義務づける割当制(クオータ制)の導入をめぐり、フランス政府はこのほど欧州委員会に書簡を送り、法制化に向けた取り組みを推進するよう求めた。9月26日付けの英紙『フィナンシャル・タイムズ』が報じた。ただ […]

企業に女性役員の登用を義務づける割当制(クオータ制)の導入をめぐり、フランス政府はこのほど欧州委員会に書簡を送り、法制化に向けた取り組みを推進するよう求めた。9月26日付けの英紙『フィナンシャル・タイムズ』が報じた。ただ、英国など一部加盟国はEUレベルでのクオータ制導入に反対の姿勢を見せており、加盟国間の意見調整が今後の課題となりそうだ。

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欧州委員会は企業における男女格差を是正するため、EU域内の上場企業に対して2020年までに取締役会に占める女性の割合を40%に引き上げることを義務付ける法案の策定を進めている。従業員数250人以上、あるいは年間売上高が5,000万ユーロ以上の企業は、取締役会の男女構成比を毎年報告することが義務付けられるほか、規定に従わない企業には違反金の支払いを命じたり、政府の入札への参加禁止や公的補助金の対象外とするなどの制裁措置を科すという内容。

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『フィナンシャル・タイムズ』紙によると、フランス政府はモスコビシ財務相とベルカセム女性権利相の連名の書簡で、欧州委の法案を「断固として支持する」と表明。「欧州委はこのプロジェクトを迅速に理事会と欧州議会に示すことが重要だ」と述べ、法案の早期成立に向け努力するよう求めた。フランスは国内の上場企業に女性取締役の割合を14年までに20%、17年までに40%に引き上げることを義務付けている。一方、クオータ制の導入には英国、オランダ、ハンガリー、チェコなど9カ国が反対する姿勢を見せている。英国は先月、他の加盟国に宛てた書簡のなかで、企業における男女格差是正の問題には各加盟国が独自に取り組みを進めており、EUが干渉するべきではないとの見解を示し、「EUレベルでクオータ制を義務付ける法案は支持しない」と明言した。

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