2012/10/1

産業・貿易

ボーイングへの補助金撤廃されず、欧州委が米への制裁発動申請

この記事の要約

欧州委員会は9月27日、米政府が世界貿易機関(WTO)から協定違反と認定された航空機大手ボーイングに対する公的支援を撤廃していないとして、年間最大120億ドルに上る制裁措置の発動をWTOに申請した。\ EUは、米国防総省 […]

欧州委員会は9月27日、米政府が世界貿易機関(WTO)から協定違反と認定された航空機大手ボーイングに対する公的支援を撤廃していないとして、年間最大120億ドルに上る制裁措置の発動をWTOに申請した。

\

EUは、米国防総省や米航空宇宙局(NASA)などがボーイングの次世代中型旅客機「787」(通称ドリームライナー)などの開発に50~60億ドルの不当な補助金を交付し、欧州のライバルであるエアバスが損害を被ったとして、2004年にWTOに提訴。今年3月に勝訴が確定した。

\

これを受けて米政府は24日、公的支援策の見直しを欧州委に通知し、違法な補助金を撤廃したと発表していた。しかし、欧州委が内容を精査した結果、補助金が撤廃されていないばかりか、さらに多くの不当な補助金が交付される恐れがあると判断。米国がWTO指定の期限内に是正することを怠ったとして、巨額制裁の発動を申請した。

\

EUと米国は同問題について当事者間協議を行うが、15日以内に解決できない場合はWTOの紛争処理小委員会(パネル)で争うことになる。

\