2012/10/1

環境・通信・その他

医療機器の規制強化へ、豊胸材の問題受け

この記事の要約

欧州委員会は9月26日、医療機器に対する規制を強化する方針を明らかにした。仏企業が製造したシリコン豊胸材をめぐる問題を受け、医療機器関連の2つの指令を規則に格上げし、安全性の確保を図る。\ シリコン豊胸バッグ分野で世界3 […]

欧州委員会は9月26日、医療機器に対する規制を強化する方針を明らかにした。仏企業が製造したシリコン豊胸材をめぐる問題を受け、医療機器関連の2つの指令を規則に格上げし、安全性の確保を図る。

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シリコン豊胸バッグ分野で世界3位の仏ポリ・アンプラン・プロテーズ(PIP)社は、未認可の工業用シリコンジェルを使用していた事実が発覚し2010年に倒産した。同社の豊胸バッグは日本を含む65カ国以上で販売されたとみられているが、体内で破裂する恐れがあることが判明しているほか、発がん性を指摘する声も出ており、仏政府はこの豊胸バッグを埋め込む手術を受けた同国内の女性に対し除去手術を受けるよう勧告した。

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欧州委の提案は、医療機器の安全性と性能の評価プロセスの厳格化、評価機関の権限強化、製品情報データベースの構築、製品トレーサビリティの改善、クリニカル・エビデンスの要件厳格化、各加盟国の監督機関の連携強化などが盛り込まれている。ダリ委員(保健・消費者保護担当)は、豊胸材をめぐるスキャンダルが、医療機器の安全性に対する患者、消費者、医療従事者の信頼を損ねたと指摘。欧州委の提案は「医療機器に対する監視の目を一段と強め、安全な機器のみがEUで流通することを確実にすると同時にイノベーションを促進し、医療機器セクターの競争力維持に貢献する」と述べた。

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