2012/10/1

環境・通信・その他

次期の排出枠オークション、独皮切りにスタート

この記事の要約

欧州委員会は9月28日、EU排出量取引制度(EU-ETS)第3期間(2013-20年)から本格導入されるオークション方式による排出枠の有償配分に関連して、12年に前倒しで実施するオークションの実施スケジュールを発表した。 […]

欧州委員会は9月28日、EU排出量取引制度(EU-ETS)第3期間(2013-20年)から本格導入されるオークション方式による排出枠の有償配分に関連して、12年に前倒しで実施するオークションの実施スケジュールを発表した。EU共通の競売プラットフォームを介さず、自国の取引所が独自にシステムを運用するドイツと英国では、それぞれ10月12日と11月21日に最初のオークションが実施される。

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EU-ETSの第1期間では全体の95%、第2期間でも90%の排出枠が対象施設に無償で割当てられてきたが、第3期間から段階的にオークションによる有償割当への移行を進め、27年までに全面移行することが決まっている。新方式への移行に伴うシステムの混乱や排出権価格の急激な変動を抑えるため、加盟国は第3期間における有償配分枠のうち、1億2,000万トン相当のアローワンス(EUA)について12年中にオークションを実施することで合意。欧州委が中心となってスケジュールを含めた実施方法の詳細を詰めていた。

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発表によると、ドイツはフランクフルトの欧州エネルギー取引所(EEX)で10月12日から12月14日まで、毎週金曜日にスポット取引の形で前倒し分の2,350万EUAをオークションにかける。これに対し、英国は11月21日と12月5日の2回、ロンドンのICEフューチャーズヨーロッパで計1,200万EUAのオークションを実施する。

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一方、EU-ETSでは今年1月から新たに航空部門が規制対象となり、各社は過去の実績を基に割り当てられた排出枠のうち15%を取引市場で購入することが義務づけられている。加盟国は第3期間の前倒し分と並行して、第2期間における航空部門の排出枠についても年内にオークションを実施することで合意していた。計画によると、ドイツは10月17日と11月14日、英国は11月26日と12月10日にオークションを実施する。

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なお、ドイツ、英国、ポーランドを除く24カ国はEEXをEU共通の競売プラットフォームに選定しており、10月末から同取引所でオークションが実施される見通し。ポーランドも当面はEEXを活用する方針で、EU-ETSに参加するノルウェーとアイスランドも同取引所を介して排出枠の取引を行うものとみられる。

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