2012/11/5

総合 –EUウオッチャー

トルコ首相「EU加盟断念も」

この記事の要約

トルコのエルドアン首相は10月30日、同国のEU加盟が2023年までに認められない場合、「EUはトルコを失う」と述べ、加盟交渉がさらに長期化すればEU加盟の放棄も辞さない構えを示した。\ トルコとEUは2005年に加盟交 […]

トルコのエルドアン首相は10月30日、同国のEU加盟が2023年までに認められない場合、「EUはトルコを失う」と述べ、加盟交渉がさらに長期化すればEU加盟の放棄も辞さない構えを示した。

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トルコとEUは2005年に加盟交渉を開始した。しかし、トルコによるキプロス(ギリシャ系の南キプロス)の国家承認拒否や、イスラム教国であるトルコの加盟にドイツ、フランスなどが強く反対していることから交渉は難航。35に上る交渉項目のうち交渉開始にこぎ着けたのは13項目にとどまり、完了したのは1項目だけ。同時に交渉を開始したクロアチアが交渉を終え、2013年7月の加盟が決まっているのに対して、交渉完了のめどは立っていない。独仏はトルコを加盟国とせず、準加盟国的な扱いにとどめるべきとさえ主張している。

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エルドアン首相は、ベルリンで開かれたEU加盟問題に関する討論会で、2023年までに加盟できると思うかという質問に対して、「EUはトルコをそんなに長く待たせるつもりはないだろうが、そこまで待たせるのなら、EUはトルコを失うことになるだろう」と述べ、EU加盟を断念する用意があることを明らかにした。

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