2012/11/5

総合 –EUウオッチャー

オランダ、2大政党が連立で合意

この記事の要約

オランダで9月に実施された下院選挙で第1党を守った中道右派の自由民主党(VVD)と、第2党となった中道左派の最大野党・労働党は10月29日、連立を組むことで合意したと発表した。VVD党首であるルッテ首相が続投し、副首相に […]

オランダで9月に実施された下院選挙で第1党を守った中道右派の自由民主党(VVD)と、第2党となった中道左派の最大野党・労働党は10月29日、連立を組むことで合意したと発表した。VVD党首であるルッテ首相が続投し、副首相には労働党のアッシャー氏が就任する。

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両党はまた、2017年までに160億ユーロの歳出削減を実施することで合意した。削減策は健康保険や失業給付制度の改革、富裕層への住宅ローン控除の縮小、開発援助の削減などを内容としており、今後議会で審議にかけられる。ルッテ首相は記者会見で、歳出削減策の実施で国民1人当たり1,000ユーロの負担を求めることになると説明。「我が国は依然として身の丈に合わない生活をしており歳出削減は必要だ」と述べ、理解を求めた。

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オランダは11年の財政赤字が国内総生産(GDP)比で4.7%となり、EUが定める基準である3%を上回った。財政緊縮策の是非が最大の争点となった下院選では定数150に対し、VVDが41議席、労働党が39議席を獲得。EUに懐疑的で躍進が期待された社会党と、極右の自由党はそれぞれ15議席にとどまった。VVDは連立を組んでいたキリスト教民主勢力(CDA)の獲得議席数が13議席にとどまったことから、第2党となった労働党との連立協議を進めていた。緊縮策の継続を訴えるVVDに対し、労働党は経済成長や雇用重視を掲げており連立交渉は難航するとの見方もあったが、予想以上に早く財政規律を重視する路線で合意した。

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