欧州委員会は7日発表した秋季経済予測で、ユーロ圏の2012年の域内総生産(GDP)予想伸び率をマイナス0.4%とし、春季予測(5月)の同0.3%から0.1ポイント下方修正した。13年は0.1%のプラス成長になると見込んでいるが、上げ幅は春季の1%から大幅に引き下げた。(表参照)
\欧州委は信用不安が続くユーロ圏経済は2012年末までに上向くことはなく、13年になっても内需は回復せず、輸出頼みになると指摘。ただ、14年には各国が取り組んでいる構造改革の成果が出て、1.4%のプラス成長になると予想している。
\EU27カ国ベースの予想成長率は12年がマイナス0.3%、13年がプラス0.4%。それぞれ春季の0%、プラス1.3%から引き下げた。14年はプラス1.6%。
\国別では債務危機に直面する南欧諸国の不振が続く見通しで、信用不安の震源地となったギリシャは12年が6%、13年が4.2%のマイナス成長になると予想。スペインは両年ともマイナス1.4%、イタリアは12年がマイナス2.3%、13年が同0.5%とした。
\ユーロ圏経済をけん引するドイツについては、12、13年ともプラス0.8%と予想。上げ幅は13年が春季の1.7%から大幅に下方修正された。
\ユーロ圏の財政赤字については、各国が財政再建を進めていることから、12年は域内総生産(GDP)比3.3%と、11年の4.1%から縮小すると予想。13年には2.6%まで改善するとみている。しかし、ギリシャは12年が6.8%、13年が5.5%、14年が4.6%、スペインはそれぞれ8%、6%、6.4%となる見通しで、2014年までに赤字を3%以内に抑えるという目標を達成できないことになる。
\一方、ユーロ圏の失業率は11年の10.1%から12年に11.3%、13年に11.8%まで悪化し、14年も11.7%と高水準で推移すると予想している。
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