2012/11/12

産業・貿易

中南米との“バナナ戦争”正式終結、10カ国と合意文書に調印

この記事の要約

EUと中南米10カ国は8日、ジュネーブの世界貿易機関(WTO)本部で、バナナをめぐる通商紛争を終結する合意文書に調印した。これによって “バナナ戦争”と呼ばれる約20年に及んだ紛争が正式に終息した。\ 合意文書に調印した […]

EUと中南米10カ国は8日、ジュネーブの世界貿易機関(WTO)本部で、バナナをめぐる通商紛争を終結する合意文書に調印した。これによって “バナナ戦争”と呼ばれる約20年に及んだ紛争が正式に終息した。

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合意文書に調印したのはブラジル、コロンビア、コスタリカ、エクアドル、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ、ベネズエラの10カ国。

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EUは加盟国の旧植民地が集中するアフリカ・カリブ海・太平洋諸国(ACP)が輸出するバナナを優遇し、中南米産バナナに対しては高い関税をかけてきた。

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これを中南米諸国が差別的措置として1990年代にWTOに提訴し、勝訴したことから、EUは2006年1月から新たな制度に移行。中南米産について、年200数十万トンまで75ユーロ/トン、上限超過分に同680ユーロの関税を課す従来の方式から、数量制限を撤廃して関税率を一律176ユーロ/トンとする制度に変更した。しかし、なおACP産と比べて厳しい条件であることから中南米側が反発し、WTOの是正命令に従っていないとして提訴。WTOは2008年、中南米側の訴えを認め、EUにさらなる制度見直しを命じた。

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これを受けてEUと中南米諸国は2009年12月、EUが中南米産バナナへの関税を2010年から17年にかけて段階的に引き下げ、現在の176ユーロ/トンから同114ユーロまで下げる代わりに、中南米側は訴訟を取り下げることで合意していた。

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