2012/11/12

競争法

オウトクンプのイノクサム買収、条件付きで承認

この記事の要約

欧州委員会は7日、欧州ステンレス鋼大手のオウトクンプ(フィンランド)が独ティッセンクルップのステンレス鋼事業を買収する計画を条件付きで承認したと発表した。オウトクンプはティッセンクルップがイタリアに持つ工場などの売却を求 […]

欧州委員会は7日、欧州ステンレス鋼大手のオウトクンプ(フィンランド)が独ティッセンクルップのステンレス鋼事業を買収する計画を条件付きで承認したと発表した。オウトクンプはティッセンクルップがイタリアに持つ工場などの売却を求められる。

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オウトクンプは1月、ティッセンクルップのステンレス鋼部門であるイノクサムを総額27億ユーロで買収することで合意した。オウトクンプはイノクサム買収により、年間売上高が40億ユーロから110億ユーロに拡大し、ステンレス鋼で14%の世界シェアを握る。欧州では最大のステンレス鋼メーカーとなる。

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欧州委は初期審査の結果、オウトクンプとイノクサムは、欧州の冷延ステンレス鋼市場で1、2位のメーカーであることから、両社の統合が同市場の健全な競争を阻害する恐れがあるとして認可を見送り、5月から本格的な調査を進めていた。

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これに対してオウトクンプは、イタリアのテルニにあるオウトクンプの工場と、欧州内の複数の物流センターを手放すことを提案。欧州委は同措置によって競争上の問題は解消されるとして、その実施を条件に買収を承認した。

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