2012/11/12

環境・通信・その他

欧州委がFガス排出削減案を発表、30年までに3分の1に

この記事の要約

欧州委員会は7日、極めて強い温暖化効果を持つフッ素化ガス(Fガス)の排出削減案を発表した。Fガスの排出を2030年までに、現在の水準の3分の1にまで削減することを目標に掲げるとともに、家庭用冷蔵庫など、より温室効果の低い […]

欧州委員会は7日、極めて強い温暖化効果を持つフッ素化ガス(Fガス)の排出削減案を発表した。Fガスの排出を2030年までに、現在の水準の3分の1にまで削減することを目標に掲げるとともに、家庭用冷蔵庫など、より温室効果の低い代替品の利用が可能なケースに関しては、新製品にFガスを使用することを禁止する。

\

冷蔵庫やエアコンの冷媒などとして使用されるFガスは、オゾン層破壊物質である特定フロンの代替品として普及が進んできた。FガスがEUの温室効果ガス排出量の約2%を占めるに過ぎないが、1トン当たりで見た地球温暖化への影響は二酸化炭素(CO2)と比べると最大で2万3,000倍ときわめて高い。欧州委によると、他の温室効果ガスは1990年以降、排出量が減少したのに対し、Fガスだけは60%も増加している。EUは昨年発表した「低炭素経済ロードマップ 2050」で、50年までに温室効果ガスを1990年の水準から80~95%削減するという目標を掲げている。欧州委は、この目標を達成するにはFガスの排出を現在のレベルから3分の2削減する必要があると指摘。代表的なFガスであるハイドロフルオロカーボン(HFC)について、15年から域内流通量を段階的に制限し、30年までに現在の5分の1に削減することを求めている。

\

産業界はFガスを段階的に削減する欧州委の提案を基本的に支持している。ただ、冷凍空調業界の企業や団体で構成する非営利団体EPEEは、Fガスの代わりに欧州委が推奨しているCO2やアンモニアなどの自然冷媒は、南欧など気温の高い国では十分に機能しないと懸念を表明している。

\