2012/11/19

産業・貿易

ノバルティスのB型髄膜炎ワクチン、欧州医薬品庁が承認勧告

この記事の要約

スイスの製薬大手ノバルティスは18日、同社のB型髄膜炎ワクチン「Bexsero」が欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)から承認勧告を取得したと発表した。欧州委員会は通常、勧告に沿って3カ月以内に最終決定を下し […]

スイスの製薬大手ノバルティスは18日、同社のB型髄膜炎ワクチン「Bexsero」が欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)から承認勧告を取得したと発表した。欧州委員会は通常、勧告に沿って3カ月以内に最終決定を下しており、来年にもEU市場に世界初となるB型髄膜炎ワクチンが投入される可能性がある。

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B型髄膜炎は脳や脊髄を覆う髄膜に髄膜炎菌が侵入して起こる中枢神経系の感染症で、発症から24時間以内に意識障害や多臓器不全といった致命的な状態に陥る。致死率は5-10%に上り、特に乳児で死亡するケースが多い。また、回復した患者についても、およそ20%の確率で聴力障害や学習障害などの後遺症がみられる。欧州では2003-07年に年間3,400-4,800件の発症が報告されており、ノバルティスによると、生後7カ月をピークに、1歳未満の発症率が最も高くなっている。

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細菌性髄膜炎は初期診断や治療が難しいため、欧米では1980代後半から予防のためのワクチンが相次いで承認された。ただ、B型髄膜炎に有効なワクチンはこれまで承認されておらず、「Bexsero」が第1号となる公算が大きい。

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