2012/11/19

競争法

蘭TNTが航空事業を売却、UPSによる買収の認可に向け

この記事の要約

米物流大手UPSによる買収で合意しているオランダ同業のTNTエクスプレスは16日、航空事業をアイルランドの航空チャーター便運航会社ASLアビエーション・グループに売却することで合意したと発表した。EUの買収認可を取り付け […]

米物流大手UPSによる買収で合意しているオランダ同業のTNTエクスプレスは16日、航空事業をアイルランドの航空チャーター便運航会社ASLアビエーション・グループに売却することで合意したと発表した。EUの買収認可を取り付けるのが目的。売却額は明らかにしていない。

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UPSが売却するのは、全額出資の航空子会社TNTエアウェイズ(ベルギー)とパン・エア・リネアス・アエレアス(スペイン)。TNTエアウェイズは旅客便、パン・エア・リネアスは貨物便を運航している。

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UPSは今年3月にTNTを51億6,000万ユーロで買収することで合意した。しかし、EUの欧州委員会が難色を示し、10月に異議告知書を送付していた。

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EUには域内を本拠とする航空会社に域外の企業が50%以上を出資することを禁止するルールがある。このためUPSとTNTは買収認可に向けて、航空2社の全株式をASLアビエーションに売却することを決めた。UPSによるTNT買収が実現することが取引実施の条件となる。

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UPSはTNT買収実現に向けた障害をひとつ取り除いた形となる。だが、欧州委はUPSとTNTの取引を認めると、同分野での大手による寡占化が一段と進むとして、競争上の問題を懸念しており、UPSは買収認可のため、この面でも何らかの対応が必要となる。

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