米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは19日、フランス国債の格付けを最上級の「Aaa」から1段階引き下げ、「Aa1」にすると発表した。欧州債務危機に伴う財政状況の悪化などを見込んだもので、格付け見通しも「ネガティブ」とし、さらなる格下げを示唆した。
\3大格付け会社では、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が1月、フランスを最上級から1段階格下げした。ムーディーズが追随したことで、最上級格付けを維持しているのはフィッチ・レーティングスだけとなった。
\ムーディーズは声明で、フランスがギリシャなど深刻な信用不安に直面する南欧諸国との経済的つながりが深く、銀行が巨額の債権を抱えていることで、債務危機による影響が大きいことや、財政再建、構造改革の遅れなどを格下げの理由に挙げた。
\フランスのモスコビシ財務相は格下げについて、新政権が財政再建に取り組んでいることを強調し、「過去(前政権)への制裁だ」と述べた。
\