2012/11/26

環境・通信・その他

EUがフカヒレ漁を全面禁止、欧州会が法案可決

この記事の要約

欧州議会は22日の本会議で、フカヒレを目的としたサメ漁を全面禁止する法案を賛成多数で可決した。これによって同法案が成立し、これまで例外的に認められてきたフカヒレ目的の漁も禁止される。\ フカヒレはアジアなどで高級食材とし […]

欧州議会は22日の本会議で、フカヒレを目的としたサメ漁を全面禁止する法案を賛成多数で可決した。これによって同法案が成立し、これまで例外的に認められてきたフカヒレ目的の漁も禁止される。

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フカヒレはアジアなどで高級食材として珍重され、高値で取引されていることから、その採取を目的としたサメの乱獲が進んでいる。EUでは繁殖率が低いため、一部の種では絶滅の恐れも指摘されるサメを保護するため、2003年から域内船籍の漁船ならびにEU領海で漁をする漁船を対象に、捕獲したサメのヒレだけを切り取って本体を海に投棄する「フィニング」を禁止してきた。

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しかし、ヒレが魚体重量の5%以内の場合、許可を得た漁船には船上でヒレと本体を切り離して別々に水揚げすることが認められている。このため、規則が実際に守られているかを正確に把握することができず、乱獲に歯止めがかかっていない。フカヒレのためだけに捕獲されるサメは全世界で年間7,300万匹に上り、うちEUはスペインを中心に17%を占め、フカヒレ輸出で世界最大の地域とされている。

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こうした状況を解消するため、欧州委員会は2011年11月、例外規定を撤廃し、EU域内で操業する外国籍を含むすべての漁船と域外で操業するEU籍の漁船に対して、ヒレがついた状態で本体を水揚げすることを義務付ける法案を提出。加盟国は今年3月、同法案を承認していた。

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