2012/12/10

産業・貿易

ロシアの貿易慣行に不満、WTOに提訴も=欧州委

この記事の要約

欧州委員会のデフフト委員(通商担当)は5日、ロシアが世界貿易機関(WTO)加盟国としての義務を果たしていないとして不満を表明するとともに、事態が改善されない場合はWTOへの提訴を含む法的手段に訴えることも辞さない構えを示 […]

欧州委員会のデフフト委員(通商担当)は5日、ロシアが世界貿易機関(WTO)加盟国としての義務を果たしていないとして不満を表明するとともに、事態が改善されない場合はWTOへの提訴を含む法的手段に訴えることも辞さない構えを示した。

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ロシアは18年間におよぶ交渉を経て、8月にWTOの156番目の加盟国となったばかり。加盟国はWTO協定の遵守や、加盟時に約束した市場開放スケジュールの遂行などの義務を負うが、デフフト委員は「ロシアは加盟国となって以来、すると約束していたことと正反対のことをやっている」と指摘。9月に輸入車を対象とする廃車税(リサイクル税)が導入されたことや、欧州からの生きた家畜の輸入が禁止されていることなどを「重大な懸念」として挙げ、ロシア政府にこれらの問題を解決する意思が見られないことを批判した。同委員は続けて、「EUは合意に達するまで永遠に待つつもりはない。事態は一刻の猶予も許さない」と警告し、「我々にはあらゆる法的手段を取る用意がある。ロシアがWTO加盟国になったことで、WTOの紛争解決手続きも可能性のひとつだ」と述べた。

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一方、ロシア経済発展省貿易交渉局のマクシム・メドベドコフ局長はブルームバーグの電話取材に対し、「EU側の懸念については承知している」と述べたうえで、「WTOルールを順守しているか否かを決定するのは欧州委員会ではない」と反論。「我が国も何年も前からEUに対して苦情を申し立てている問題があるが、WTO加盟後もEUの態度に変化はない。すべての懸案が解決されることを期待している」と語った。

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ロシアはEUの最大の貿易相手国のひとつであり、貿易額は年間3,400億ユーロに上る。

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