2013/1/21

環境・通信・その他

ネオニコチノイド系農薬の禁止検討、ミツバチ保護で=欧州委

この記事の要約

欧州で広く使用されているネオニコチノイド系農薬3種がミツバチに悪影響を与える可能性があるとの調査結果を欧州食品安全機関(EFSA)が公表したことを受け、欧州委員会は16日、これらの農薬の販売禁止も含めた対応を検討すること […]

欧州で広く使用されているネオニコチノイド系農薬3種がミツバチに悪影響を与える可能性があるとの調査結果を欧州食品安全機関(EFSA)が公表したことを受け、欧州委員会は16日、これらの農薬の販売禁止も含めた対応を検討することを示唆した。

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ネオニコチノイド系農薬は、近年深刻化しているミツバチが突然大量に失踪する現象、いわゆる「蜂群崩壊症候群」との関連性が指摘されており、フランス、ドイツ、イタリアなどでは使用が制限されている。EFSAは、ネオニコチノイド系農薬がミツバチに与えるリスクを評価するよう欧州委から要請を受け、独バイエルの農薬部門クロップサイエンスが生産するクロチアニジンとイミダクロプリド、スイスのシンジェンタが手がけるチアメトキサムの3種について調査を行なっていた。

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EFSAは、ネオニコチノイドはミツバチの中枢神経系に作用して麻痺や死をもたらすと指摘。最近の研究でも亜致死量のネオニコチノイドへの暴露がミツバチの健康やコロニーに悪影響を与える危険性があることが示唆されているとして、ネオニコチノイド系農薬の使用をミツバチが寄り付かないテンサイなどの植物に限定し、トウモロコシ、ナタネ、ヒマワリへの使用を禁止すべきだとの見解を示した。また、ネオニコチノイドで処理した種子の播種により剥離した処理剤が粉塵となってミツバチに被害を与える可能性も指摘した。一方で、蜂群崩壊症候群との関連性については「十分なデータがない」として結論を見送った。

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欧州委のボルジ委員(保健・消費者政策担当)の広報担当者は、EFSAの調査結果について「憂慮すべき結論」との見解を示したうえで、バイエルとシンジェンタに書簡を送って対応を明らかにするよう求める方針を表明。「欧州委とEU加盟国は必要な対策を講じる」と語った。

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