2013/1/28

産業・貿易

チェコのブドバルが敗訴、「バド」の商標めぐる訴訟で

この記事の要約

世界的なビールのブランド「バドワイザー」の商標をめぐり、ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)とチェコの醸造会社ブジェヨビィツキー・ブドバルが争っている問題で、欧州連合(EU)の欧州第一審裁判 […]

世界的なビールのブランド「バドワイザー」の商標をめぐり、ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)とチェコの醸造会社ブジェヨビィツキー・ブドバルが争っている問題で、欧州連合(EU)の欧州第一審裁判所は22日、ABインベブに「バド(BUD)」をEUの共同体商標(CTM)として登録することを認める判決を下した。

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ABインベブは1996年から2000年にかけて「バド」に関する4種類の商標登録を欧州共同体商標意匠庁(OHIM)を出願したが、これに対してブドバルは、「バド」はオーストリアやフランスなど一部のEU加盟国で原産地名称保護の対象となっているとして、登録に異議を申し立てた。OHIMはバドが原産地名称保護の対象となっていると信じるに足る十分な証拠をブドバルが示していないとして訴えを退けたが、ブドバルはこの決定を不服として欧州第一審裁判所に提訴。08年12月に同決定を無効とする判断が下された。一審の決定を不服とするABインベブは欧州司法裁判所に上訴。欧州司法裁は11年3月、原産地名称を含む地理的表示が加盟国で保護されていることを理由にCTMの登録を拒否できるのは、地理的表示が「当該国の領土の相当部分において有意な形で使用されている」場合に限るとの判断を示し、この事案を一審に差し戻していた。

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一審裁判所は、ブドバルがOHIMに提出した証拠では「バド」の使用範囲は極めて限定されており、CTM登録を拒否する理由とは認められないと指摘。ブドバルの主張を退け、ABインベブによる登録を認める判断を下した。一審裁判所の判決に不服がある場合、ブドバルは2カ月以内に異議を申し立てることができる。

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