2013/2/4

総合 –EUウオッチャー

英・蘭への預金返済義務なし、裁判所がアイスランドに軍配

この記事の要約

英国とオランダが、経営破たんしたアイスランド大手銀行に口座を持っていた両国の預金者への返済をアイスランド政府に求めている問題で、アイスランドが加盟する欧州自由貿易連合(EFTA)の裁判所は1月28日、アイスランド側に返済 […]

英国とオランダが、経営破たんしたアイスランド大手銀行に口座を持っていた両国の預金者への返済をアイスランド政府に求めている問題で、アイスランドが加盟する欧州自由貿易連合(EFTA)の裁判所は1月28日、アイスランド側に返済の義務はないとする判決を下した。

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2008年に金融危機で国内の全銀行が破たんに追い込まれたアイスランドは、大手銀行ランズバンキのネット銀行「アイスセーブ」の外国人口座を閉鎖し、34万人に上る英、オランダ人預金者の約50億ドルに上る資金を凍結。これを肩代わりして国内の預金者に払い戻した英、オランダ政府は、アイスランドに返済を求めている。

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アイスランドと両国の政府は2012年12月、利払いを減免した上で、長期にわたって返済することで合意したが、アイスランドの国民が民間銀行の失態のつけを納税者に負担させるのはおかしいと反発。国民投票に持ち込んで両国への返済を否決した。これを受けて、3カ国は同問題の決着をEFTA裁判所に委ねた。

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ルクセンブルクにあるEFTA裁判所は、EFTA加盟国とEU加盟国との間に生じた係争を扱う裁判所。同裁判所は、アイスランドの金融危機は規模が極めて大きいことから、預金保護に関する政府に責任は限られており、英、オランダへの即時返済拒否はEUの当時の預金保護ルールに反していないとして、アイスランドに軍配を上げた。

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