2013/2/4

競争法

J&Jとノバルティスに異議告知書、後発薬参入制限の疑いで

この記事の要約

欧州委員会は1月31日、EU競争法違反の疑いで調査を進めている製薬大手の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)とスイスのノバルティスに対して、異議告知書を送付した。両社が結託し、オランダの鎮痛薬市場で後発医 […]

欧州委員会は1月31日、EU競争法違反の疑いで調査を進めている製薬大手の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)とスイスのノバルティスに対して、異議告知書を送付した。両社が結託し、オランダの鎮痛薬市場で後発医薬品(ジェネリック薬)の参入を不当に制限したとしている。

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問題となっているのは、フェンタニルを有効成分とする鎮痛薬。フェンタニルは麻薬成分で、これを使った鎮痛剤はがんなどに伴う強烈な慢性痛を和らげるために使われている。

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欧州委は2011年10月、J&Jのオランダ子会社であるヤンセン・シラグとノバルティスのジェネリック薬部門サンドが協定を結び、オランダ市場でフェンタニルを使った後発薬の新規参入を妨げている疑いがあるとして、調査を開始していた。

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欧州委によると、ヤンセン・シラグはサンドがオランダでのフェンタニル後発薬販売を遅らせる見返りとして、同社に毎月、一定額の金銭を支払うという協定を2005年7月に締結。これによってサンドは2006年12月まで後発薬の投入を控えたという。

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欧州委は、同協定によってサンドのオランダでの後発薬販売が17カ月延期されたことで、同国でフェンタニル鎮痛薬の価格が下がらず、消費者に打撃を与えたとして、異議告知書を送付した。

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両社には反論の機会が与えられるが、最終的に欧州委が指摘する事実が確認された場合、全世界の売上高の最大10%に相当する制裁金の支払いが命じられる。

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