2013/2/4

競争法

グーグルが制裁回避へ改善策提示、ネット検索めぐる競争法違反で

この記事の要約

インターネット検索市場における米グーグルの商慣行をめぐり、欧州委員会が競争法違反の疑いで調査を進めている問題で、同委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は1日、グーグルから和解に向けた改善策が提示されたことを明らかにした […]

インターネット検索市場における米グーグルの商慣行をめぐり、欧州委員会が競争法違反の疑いで調査を進めている問題で、同委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は1日、グーグルから和解に向けた改善策が提示されたことを明らかにした。アルムニア氏は「グーグルからの提案ついて分析を行っている」と述べるにとどめ、具体的な内容には言及しなかったが、関係筋によると、検索結果の表示方法に関する措置が含まれているもよう。グーグルの広報担当は、欧州委の調査に引き続き協力する姿勢を示したうえで、新たな提案によって欧州委の懸念をすべて払拭できるかどうかは「分からない」と述べている。

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欧州委は中小検索エンジンや米マイクロソフトの申し立てを受け、2010年11月からグーグルに対する調査を進めている。欧州委はこれまでの調査から、欧州の検索市場で圧倒的なシェアを誇るグーグルが独占的な立場を利用して◇検索結果の表示で「Googleマップ」など自社サービスを優遇している◇競合サイトに投稿されたレストランや旅行などに関する口コミ情報を無断で掲載している◇広告事業に関するパートナーサイトとの契約によってライバルが市場から締め出されている◇契約上の制限によって広告主がキャンペーンの出稿先をライバルの検索エンジンに変更するのを阻止している――との見方を強め、同社に対して是正を求めていた。

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グーグルの検索サービスをめぐっては、米国でも同様の調査が行われていたが、連邦取引委員会(FTC)は先月、反競争的行為を裏付ける証拠は見つからなかったとして同社に対する調査を終了した。ただ、米国では検索サービス市場におけるグーグルのシェアが7割未満であるのに対し、欧州ではおよそ90%に上ることや、市場支配的地位の濫用を認定するための法的基準が欧米間で異なることなどから、欧州委はグーグルに対してより厳しい見方をしている。アルムニア委員は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、検索市場における独占的地位を利用して「消費者の選択肢を狭め、ライバルからビジネス機会を奪う行為を容認することはできない」と強調。そのうえで「問題はアルゴリズムではなく、(検索結果の)見せ方だ」と指摘し、コンテンツへのラベル付けなどの措置を講じることで問題解決につながる可能性はあるとの考えを示していた。

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