2013/2/4

環境・通信・その他

ネオニコチノイド系農薬を2年間使用禁止、ミツバチ保護で欧州委が提案

この記事の要約

欧州委員会は1月31日、ミツバチの大量死や大量失踪の主な原因とされるネオニコチノイド系農薬3種について、向こう2年間にわたりミツバチを誘引する植物への使用を禁止するよう加盟国に要請したことを明らかにした。月内に新ルールが […]

欧州委員会は1月31日、ミツバチの大量死や大量失踪の主な原因とされるネオニコチノイド系農薬3種について、向こう2年間にわたりミツバチを誘引する植物への使用を禁止するよう加盟国に要請したことを明らかにした。月内に新ルールが正式発表される見通しだが、英国、ドイツ、スペインなどが規制強化に難色を示しているもようで、調整が長引く可能性もある。

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ネオニコチノイド系農薬は、近年、世界各地で深刻化しているミツバチが突然大量に失踪する「蜂群崩壊症候群」との関連性が指摘されており、仏、独、伊などでは以前から使用が制限されている。欧州食品安全機関(EFSA)は欧州委の要請で、独バイエルの農薬部門クロップサイエンスが生産するクロチアニジンとイミダクロプリド、スイスのシンジェンタが手がけるチアメトキサムの3種についてミツバチに与える影響を調査。先月公表したリスク評価に関する報告書で、蜂群崩壊症候群との関連性については「十分なデータがない」として結論を見送ったものの、ネオニコチノイドはミツバチの中枢神経系に作用して麻痺や死をもたらすと指摘し、ミツバチを誘引するトウモロコシ、ナタネ、ヒマワリへのネオニコチノイド系農薬の使用を禁止すべきだとの見解を示していた。

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欧州委のボルジ委員(保健・消費者政策担当)の報道官は31日のブリーフィングで、「加盟国に対し、ミツバチを誘引する植物へのネオニコチノイド系農薬の使用を禁止するよう要請した」と説明。EFSAがミツバチへの悪影響を指摘した農薬3種について、7月1日からトウモロコシ、ナタネ、ヒマワリ、ワタへの使用を全面的に禁止し、2年後に見直しを行う方向で調整を進めていることを明らかにした。

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