2013/2/18

環境・通信・その他

欧州女性の肺がん死が増加、15年に死因トップに=英医学誌

この記事の要約

EU諸国では全体としてがんの死亡率が低下しているものの、女性の肺がん死亡者が増加傾向にあり、2015年には乳がんを抜いて女性の死因トップになるとの研究論文が13日に公表された。これは1960年代から70年代にかけて女性喫 […]

EU諸国では全体としてがんの死亡率が低下しているものの、女性の肺がん死亡者が増加傾向にあり、2015年には乳がんを抜いて女性の死因トップになるとの研究論文が13日に公表された。これは1960年代から70年代にかけて女性喫煙者が急増したことによるもので、高齢化に伴い2020年前後まで女性の肺がん死亡率が上昇すると予測している。

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論文は英オックスフォード・ジャーナルが発行する欧州臨床腫瘍学会(ESMO)の機関誌「Annals of Oncology(腫瘍学年報)」に掲載された。これによると、EU27カ国における2013年のがん死亡者数は男性が73万3,000人、女性は57万6,000人となる見通し。絶対数はいずれも基準年の09年を上回っているが、高齢者の人口比率を考慮に入れた比較では男性が6%減、女性も4%減となる。

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乳がんの死亡者は09年に比べて7%減少する一方、女性の肺がん死亡者は7%増加する見通し。これに対し、男性の肺がん死亡者は6%減少すると予測している。論文の共同執筆者であるミラノ大学のカルロ・ラ・ベッキア教授は、「肺がんと乳がんの死亡率がこのまま推移した場合、欧州では15年に肺がんが女性の死因トップになる」と指摘。英国とポーランドではすでにこうした現象が起きているとつけ加えた。ただ、同氏によると、現在は男女とも喫煙率が低下しているため、20年以降は女性の肺がん死亡者も減少に転じるとの見方を示している。

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