2013/3/4

産業・貿易

モロッコとのFTA交渉開始、北アフリカ諸国で初のケースに

この記事の要約

EUとモロッコは3月1日、自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を開始した。EUと北アフリカ諸国によるFTA交渉は今回が初めて。双方は自由貿易圏の創設を目的とした連合協定を発展させ、貿易経済協力を強化する広範かつ包括的な […]

EUとモロッコは3月1日、自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を開始した。EUと北アフリカ諸国によるFTA交渉は今回が初めて。双方は自由貿易圏の創設を目的とした連合協定を発展させ、貿易経済協力を強化する広範かつ包括的な協定の締結を目指すことで合意した。

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モロッコの首都ラバトを訪問した欧州委員会のバローゾ委員長はベンキラン首相との会談後に会見を行い、「FTA協定を通じてEUとモロッコは双方の市場にアクセスしやすくなり、予測可能で安定したビジネス環境が確立される」と強調。会談では学生や研究者など「特定のカテゴリー」について、ビザ(査証)取得手続きの簡素化に向けた交渉にも着手したことを明らかにした。

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2011年のEU・モロッコ間の総貿易額は約240億ユーロ。EUはモロッコにとって最大の貿易パートナーで、貿易額に占めるEUの割合は56%、輸出先としては全体の65%を占める。2000年に発効した連合協定に基づき、EUとモロッコの間では工業製品に関する関税が段階的に引き下げられているが、EU側は農水産品やサービス分野の市場開放を強く求めている。

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EU加盟国は11年、モロッコ、エジプト、ヨルダン、チュニジアとの高度かつ包括的な自由貿易地域を締結するための交渉権限を欧州委に付与。昨年に欧州委とモロッコ政府の間でFTAの範囲を協議する予備交渉がスタートしていた。

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