2013/3/25

総合 –EUウオッチャー

アイルランドが2年連続プラス成長、12年GDPは0.9%増

この記事の要約

アイルランド中央統計局が21日発表した2012年の国内総生産(GDP)は前年比0.9%増となり、2年連続でプラス成長を確保した。同国は金融危機により2008年から10年にかけて景気が低迷し、EUから金融支援を受けているが […]

アイルランド中央統計局が21日発表した2012年の国内総生産(GDP)は前年比0.9%増となり、2年連続でプラス成長を確保した。同国は金融危機により2008年から10年にかけて景気が低迷し、EUから金融支援を受けているが、輸出増加を追い風に経済が復調。ユーロ圏で12年にプラス成長を記録した数少ない国のひとつとなった。

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アイルランドは12年に個人消費が0.9%減少したが、経済の柱である輸出が2.9%増加。GDP伸び率は前年の1.4%を下回ったものの、プラス成長を維持した。

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ユーロ圏17カ国の12年の成長率はマイナス0.6%。これまでにデータがまとまった国の中でプラス成長となったのは、アイルランドとエストニア、スロバキアの3カ国にとどまっている。

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アイルランドは信用不安でEUと国際通貨基金(IMF)から金融支援を受けた国の中で最も順調に財政再建が進んでいる。3月中旬には支援実施後で初となる10年物国債の入札が成功し、50億ユーロを調達した。景気回復が続いていることで、金融支援脱却への気運が一段と強まってきた。

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ただ、輸出は主要市場であるユーロ圏の景気低迷を受けて伸び足が鈍っており、12年の上げ幅は前年の5.1%から大きく縮小。この影響で10-12月期のGDPはセロ成長となった。ユーロ圏経済の回復が遅れると、同国の景気も再び悪化しかねない状況にある。

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