2013/3/25

競争法

クロアチア造船所への追加支援を承認

この記事の要約

欧州委員会は20日、経営難に陥っているクロアチア国有のブロドトロギール造船所に対する追加の公的支援を認める決定を下した。支援の増額により生じる競争の歪曲は、クロアチア政府が提案した是正策によって緩和されると判断した。\ […]

欧州委員会は20日、経営難に陥っているクロアチア国有のブロドトロギール造船所に対する追加の公的支援を認める決定を下した。支援の増額により生じる競争の歪曲は、クロアチア政府が提案した是正策によって緩和されると判断した。

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クロアチア政府は2009年にブロドトロギール造船所の民営化に着手したが、第1回入札は応札者がなく失敗に終わり、第2回入札で旅行会社のヤドランスカ・ウラガニャが同造船所の買収案と経営再建計画を提出。政府と欧州委は11年6月にこれを承認した。その後12年7月にはエネルギー会社のケルマス・エネルジヤがヤドランスカ・ウラガニャから経営再建を引き継ぐことで合意し現在に至っている。政府は入札の不調や再建計画の引き継ぎによってブロドトロギール造船所の再建プロセスに大幅な遅れが出たと主張。欧州委に追加支援を認めるよう求めていた。

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造船はかつてクロアチアの主力産業であり、90年代初めには日本、韓国に次ぐ世界3位の造船受注量を誇った。 しかし、91年から始まった内戦の影響で世界から取り残され、現在では12位に低迷。 過去20年間の累積損失は37億ユーロに達している。クロアチアは今年7月のEU加盟を控え、疲弊した造船所への支援を打ち切り、民営化と合理化を進めている。

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