2013/3/25

環境・通信・その他

都市廃棄物リサイクル率が10年で3倍、50%の目標達成は4カ国

この記事の要約

欧州環境庁(EEA)が19日公表したリポートによると、EU27カ国における都市廃棄物のリサイクル率は過去10年間で3倍に拡大したものの、2020年までにEU全体で50%のリサイクルを実現するとの目標を達成するには東欧諸国 […]

欧州環境庁(EEA)が19日公表したリポートによると、EU27カ国における都市廃棄物のリサイクル率は過去10年間で3倍に拡大したものの、2020年までにEU全体で50%のリサイクルを実現するとの目標を達成するには東欧諸国を中心に、一段と取り組みを強化する必要があることが明らかになった。

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リポートによると、EU市民が年間に排出する都市廃棄物は10年前に比べて3.6%減少したものの、07年まではほとんど変動がなかったことから、EEAは最近の減少傾向について、景気低迷に伴う消費の落ち込みが主な要因と分析している。EU27カ国における都市廃棄物のリサイクル率は2010年に39%に達し、2001年の13%から3倍に拡大した。また、EU加盟国にクロアチア、アイスランド、スイス、ノルウェー、トルコを加えた32カ国ベースでは、リサイクル率が10年間に23%から35%に上昇している。

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リサイクル率を国別にみると、オーストリアの63%を筆頭に、ドイツ(62%)、ベルギー(58%)、オランダ(51%)と続いており、これら4カ国はすでに20年を達成期限とするEUのリサイクル目標を達成している。また、英国では都市廃棄物のリサイクル率が01年の12%から10年には39%に上昇したほか、アイルランドでも11%から36%に上昇。スロベニア、ポーランド、ハンガリーなどでも過去10年間にリサイクル率が飛躍的に改善した。これに対し、ブルガリアでは現在もリサイクルがほとんど行われておらず、ルーマニアでもリサイクル率が10年前の2%から1%に下落している。EEAによると、両国が20までに50%の目標を達成するには年4ポイント以上のペースでリサイクル率を改善しなければならず、行政当局は破棄物処理対策を抜本的に見直す必要がある。

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EEAのマックグレード事務局長は「いくつかの国は比較的短い期間にインフラ整備や認知度向上キャンペーンなどを通じ、市民にリサイクル意識を浸透させることに成功した。しかし、他の国では依然として取り組みが遅れており、多くの資源が無駄になっている」と指摘している。

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