2013/4/8

総合 –EUウオッチャー

キプロスの銀行が営業再開、政府は資本規制導入

この記事の要約

金融危機に直面するキプロスで3月28日、休業していた全銀行が13日ぶりに営業を再開した。EUなどによる金融支援が決まったことを受けたもの。ただし、銀行からの資金流出を防ぐため、政府は同日付で資本規制を導入し、当面は預金引 […]

金融危機に直面するキプロスで3月28日、休業していた全銀行が13日ぶりに営業を再開した。EUなどによる金融支援が決まったことを受けたもの。ただし、銀行からの資金流出を防ぐため、政府は同日付で資本規制を導入し、当面は預金引き出しなどを制限する。このような資本規制の導入はユーロ圏で初めてとなる。

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全銀行を対象とする資本規制では、1日当たりの預金引き出し額が最大300ユーロに制限されるほか、国外への現金持ち出しは1,000ユーロ、クレジットカードの取引は月5,000ユーロが上限となる。また、小切手の現金化が禁止される。国外への送金も、海外留学者への授業料、生活費の送金などを除いて禁止する。

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キプロス政府は25日、EUと国際通貨基金(IMF)から最大100億ユーロの金融支援を取り付けたが、交渉の過程で国内銀行の全預金者に課税する案が浮上。取り付け騒ぎが起きる恐れがあったことから、16 日から銀行の営業を停止していた。

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EUとの最終合意では、預金課税を避け、大手2銀行の大口預金者に限って負担を強いることになった。それでもキプロス政府と中央銀行は、国内銀行に預金している海外富裕層などが資金を引き揚げ、金融システムが混乱する恐れがあるとして、異例の資本規制導入に踏み切った。

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