2013/4/22

総合 –EUウオッチャー

仏政府、14年に財政赤字目標達成へ

この記事の要約

仏政府は17日に発表した2017年までの財政計画で、2014年に財政赤字をEUが上限とする国内総生産(GDP)比3%以下に抑制する目標を示した。当初計画では13年の達成を目指していたが、景気低迷で達成が困難になったとして […]

仏政府は17日に発表した2017年までの財政計画で、2014年に財政赤字をEUが上限とする国内総生産(GDP)比3%以下に抑制する目標を示した。当初計画では13年の達成を目指していたが、景気低迷で達成が困難になったとして先送りした。

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財務省が提出した「安定プログラム」によると、増税や社会保障支出の削減などにより、財政赤字の対GDP比率を13年の3.8%から14年は2.9%に引き下げる。17年の財政収支については赤字幅を当初の0.3%から0.7%に引き上げたものの、景気循環の影響を除く構造ベースでは16年に0.2%の黒字に転換し、17年も0.5%の黒字を見込む。また、公的債務は14年にGDP比94.3%に達するとし、当初見込みの90.5%から引き上げた。

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政府は2014年に財政赤字削減目標を先送りしたことについて、「厳しい追加措置を取ることによって景気の回復を損なわないために合理的な選択を行った」と説明している。ただ、プログラムが前提とする経済成長率予想は今年がプラス0.1%、14年は1.2%で、国際通貨基金(IMF)が16日に発表した予想(13年はマイナス1%、14年はプラス0.3%)と比べ楽観的な数字となっており、その実現可能性を疑問視する声が早くもあがっている。

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欧州委員会は安定プログラムの発表を受け、「仏政府の取り組みを注視する」とのコメントを発表。ドイツのメルケル首相は、「フランスはユーロ圏全体にとってカギとなる存在であり、成功を願っている」と語った。

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