2013/4/22

競争法

米リバティのヴァージン・メディア買収を承認

この記事の要約

欧州委員会は15日、米メディア大手リバティ・グローバルが英国ケーブルテレビ(CATV)大手ヴァージン・メディアを買収する計画を認可したと発表した。リバティは欧州10カ国でケーブル事業を展開しているが、英市場には進出してい […]

欧州委員会は15日、米メディア大手リバティ・グローバルが英国ケーブルテレビ(CATV)大手ヴァージン・メディアを買収する計画を認可したと発表した。リバティは欧州10カ国でケーブル事業を展開しているが、英市場には進出していないうえ、欧州のペイテレビ市場では複数のライバルが激しいシェア争いを展開しているため、両社の取引を認めても著しく競争が阻害される恐れはないと判断した。

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資産家のジョン・マローン氏率いるリバティは米コムキャストに次ぐ世界2位のCATV事業者。欧州ではドイツ、ベルギー、スイス、アイルランドなどでサービスを提供している。一方のヴァージンは英国でCATV、インターネット接続、固定電話、携帯電話サービスを展開している。リバティは今年2月、ヴァージンを172億ユーロで買収すると発表。3月6日付で欧州委に認可を申請した。

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ヴァージンの買収が実現すると、リバティは欧州最大のケーブル事業者に浮上する。欧州委は買収計画を認めた場合、欧州のペイテレビ市場にどのような影響が及ぶかに重点を置いて予備調査を行った。その結果、両社はそれぞれ異なる市場でCATV事業を展開しているため、合併が実現しても市場シェアの変動は限定的と分析。さらに、英国とアイルランドでは引き続き衛星放送大手BスカイBをはじめとする強力なライバルとの競争にさらされるため、番組供給市場で統合新会社の支配力が大幅に増すとは考えにくいと結論づけた。

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