2013/4/22

欧州ビジネスウオッチ

独RWE、ナブッコ計画から撤退

この記事の要約

独エネルギー大手のRWEは14日、ナブッコ・パイプライン計画の出資分17%弱を3月1日付でオーストリアのOMVに売却したと発表した。輸送する天然ガスの量的確保が難航して計画が大きく遅れていることに加え、本国ドイツの原発廃 […]

独エネルギー大手のRWEは14日、ナブッコ・パイプライン計画の出資分17%弱を3月1日付でオーストリアのOMVに売却したと発表した。輸送する天然ガスの量的確保が難航して計画が大きく遅れていることに加え、本国ドイツの原発廃止計画でコストが膨らんでいることが理由だ。撤退についてはすでに昨年12月に予告していた。プロジェクトを統括するOMVでは、今後も出資構成に変化があるとみている。

\

ナブッコはカスピ海地域の天然ガスを、ロシアを迂回して欧州に輸出する「南ガス回廊」構想の中核を成す。しかし、ロシアが主導する「サウス・ストリーム」計画など競合が相次ぎ、敷設規模は当初予定から大きく縮小された。現在は、トルコとブルガリア国境からルーマニア、ハンガリーを経由してオーストリアに至る「ナブッコ・ウエスト」が計画されている。

\

十分な輸送量を確保するため、アゼルバイジャン産ガスの調達に向けた交渉が現在も続いている。このガスを「ナブッコ・ウエスト」だけで輸送するのか、アドリア海横断パイプライン(TAP)でも輸送するのかについては、今後数カ月内に決まる。

\

RWEの撤退で、ナブッコ計画への出資者はOMV、ハンガリーのMOL、トルコの国営ガス会社BOTAS、ブルガリアのBEH、ルーマニアのトランスガスの5社となった。

\