2013/5/13

総合 –EUウオッチャー

ポルトガルが10年物国債発行、金融支援脱却へ前進

この記事の要約

ポルトガル政府は7日に実施した10年物国債の入札で、予定通り30億ユーロを調達した。10年物国債の新規発行は2011年1月以来で、債務危機によりEUと国際通貨基金(IMF)から金融支援を受けてから初めて。入札の成功により […]

ポルトガル政府は7日に実施した10年物国債の入札で、予定通り30億ユーロを調達した。10年物国債の新規発行は2011年1月以来で、債務危機によりEUと国際通貨基金(IMF)から金融支援を受けてから初めて。入札の成功により支援脱却に向けて前進した。

\

ポルトガル財務省によると、応募は発行枠の3倍を上回る102億ユーロに達した。平均落札金利は5.669%。一時は17%に達した流通利回りの半分以下で、前回の入札の6.716%を下回った。応募の86%を海外の投資家が占めたという。

\

債務危機に陥ったポルトガルは2011年4月にEUとIMFから総額780億ユーロの金融支援を取り付け、財政再建に取り組んでいる。財政緊縮は景気悪化を加速させており、国民の反発は根強いが、政府は3日に向こう3年間で公務員削減などによって追加で48億ユーロを削減する計画を発表したばかり。指標となる10年物国債の入札が無難に終わったことは、政府の財政健全化の努力が評価されていることを意味する。ガスパル財務相は「大きな成功だ」とコメントした。

\

ポルトガルは1月に5年物国債の入札で25億ユーロを調達。今回の入札成功によって今年の資金需要が満たされ、目標とする2014年半ばの金融支援脱却が現実味を帯びてきた。

\